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◆ 父のこと(呪)
『お母さんを頼むぞ』
32年前のあの日、心臓弁膜症を患い、人工弁を移植するために手術室に向かう父の最後の言葉でした。
私は反射的に『任しとけ!』と応えました。
死を覚悟した父と交わした約束は「呪(しゅ)」(夢枕獏の「陰陽師」に出てくる言葉)のようにその後の私の心の奥底に棲み続けました。
私にとって重い重い言葉でした。
因みに手術は成功し、歩くのも困難だったのが元気に歩けるようになったと喜んだのも束の間、その後の検査入院で帰らぬ人となりました。
今思えば院内感染だったのでしょうが、その頃にはそんな言葉すら無く、納得できないまま諦めるしかありませんでした。
母から手術成功の知らせはありましたが、父と言葉を交わす機会は無かったように思います。(従って冒頭の言葉が私にとって父の最後の言葉となりました)
この十数年は確かに母を大事に思い、優しく接して来た自信はあります。
母も『ありがとう。幸せだったよ』と言ってくれました。
しかし、もっと若い頃、特に30代の生意気盛りの頃には邪魔だとさえ思ったこともありました。
自分勝手なものです。
お父さん、あの約束、ちゃんと果たしたよね?

※忌引きも終るので明日から普通の生活に戻します。(母のいない状態がこれからの普通になると思うと辛いです)
朝4時に起きてご飯を炊き、朝食とお弁当を作り、植物に水を遣ってメダカに餌を与え、洗い物を済ませて出かけます。(聞き慣れた『行ってらっしゃい。気をつけて』の声はもう聞けませんけどね)
ひじきの煮物は今日作りました。
昼間は何とか過ごせるでしょう。
夜の辛さは当分どうしようもないですね。

by uncleXML | 2012-07-22 13:24
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